食は福井にあり 昆布巻き(下)
東京では昆布巻きは市販品を買うのが当たり前で、それもおせちの一品というイメージ。
だが 福井ではほとんどが手作りだし、何かにつけて食卓に登場する。
昆布巻きは、盆、正月、祭りに欠かさず作られ、また身欠きニシンに箸をあてて巻くことから、
棒巻きという異名を持つと記されている。
注目したいのは、身欠きニシンを米のとぎ汁で戻すという記述。
福井ではカチンカチンに干し上げたニシンが今も親しまれているのだ。
タコ糸、かんぴょうなどで結んだ昆布巻き。
そういえば裂いた竹皮やいぐさで巻いたものもある。
昆布巻きが各地に広まるうちに、巻き紐も応用編が増え、最終的にかんぴょうが主流になったのだろう。
減塩対策として昆布巻きの味噌煮を紹介。
人参、ごぼう、エノキだけをニシンと一緒に巻きかんぴょうで結んでから、
だし、昆布の戻し汁、酢、酒、黒砂糖、味噌、みりんで煮込むというものだ。
なかなかのアイディア料理である。
やはり福井は全県、昆布巻き王国であった。